淡いピンク色の桜の花が、街を・人々を・心を満たす季節となりました。
さくら
このピンクって、色の中でもすこし特別な氣がします。
色はキレイ!とか、好き嫌い・似合う似合わない。などだけでは語ることのできない不思議な
力があります。わたしたちの意識や本人も氣づかない無意識の領域にまで、さまざまな側面
に働きかけ、感情や感覚・反応などを呼び起こします。それぞれに反応しやすい色はあります
が、色の中でもとりわけピンクは、より多くの人の深みに触れていく感じがあります。
なぜだか、どうしても、心に触れる色なのでしょうか。どうにも、心動かされる色なのです。
ピンクのクマさんなど想像上の生きものや、やさしさ・ハート・愛など、物質世界の中で目には
見えないものの表現としてピンクが多く使われます。やさしさや愛など、実際に確認することも、
測ったり比べることも出来ないもの、実体がなく、感覚的に感じるものがピンクで表現されます。
「愛だけじゃ食べていけない!」 というセリフ もありましたが、物質的な生存だけを思うと、
必要とは言い難いものがピンクで表されているのです。
一方で、自分が幸せだと思うための不可欠な要素こそがピンクに詰まっている氣がします。
やさしさも愛も、夢も理想も、美しいと思う心も、愛おしいと思う氣持ちも、切なさを感じることも
なしに、はたして、わたしたちの人生は満たされるのでしょうか。
ピンクはあたたかさと安心感を思い出させます。たとえ何かを失っても、ピンクが土台にあれば
再生・復活できる氣がします。ピンクは人間らしく生きるための力の源と言えるかもしれません。
冬の寒さと日常の忙しさの中で、固くなっていた身体と心に、もう一度やわらかなピンクの光が
差し込むのが、この桜を愛でる時期なのかもしれません。淡い桜の小さな花を見上げながら、
自分の中にたくさんのピンクを呼吸してみてください。自分の中がたくさんのピンクで満たされ
ているのを想像してみてください。
そして、自分ににとっての物質的ではない「幸せ」とは何かを思い出してみましょう。
きっと、あなたが人生を始める最初に願ったものであり、人生の大切なテーマと関係している
でしょう。
淡いピンクの桜の花の、一斉に咲き・風とと共に散りゆく儚さ(はかなさ)は、わたしたちの人生
そのものを想起させるのかもしれません。また、だからこそ、この瞬間・ここに生きている喜びに
わたしたちをつなげます
桜のピンクに満ちる春、すべての人にとってふたたび新しいスタート地点です。
この春、本当にあなたが必要とするものから始めませんか。自分に与えるものが変わるとき、
あなたがだれかに与える質が変わります。あなたという存在自体が変わっていきます。
心が感じるものを大切に、自分を小さく制限して生きるより、解放してもっと生きる季節です。
2015年 さくら咲く季節に